「たすけっこ」は命の笛です。お守りです。 命を大切にする心を育む「たすけっこ」の輪、全国に広がります。

企業紹介

(株)オーシャン・ビューは、中古パチンコ台の買い取りや廃棄台を解体してリサイクル可能な部材を取り出す仕事を障害者との協働で実施しています。また、2001年の大阪池田小事件をきっかけに、子ども達の命を守る防犯笛「たすけっこ」の配布活動を開始し、これまでにのべ8,000人のボランティアとともに120,000個のたすけっこを配りました。子どもの命を守ることは地域に生かされている企業の使命です。

取り組み

私たち(株)オーシャン・ビューは、パチンコ台の解体、リサイクルを本業とする平成15年創業の若い会社です。
贅沢産業の花形パチンコ業界は新旧の台交換がめまぐるしく、ほとんどはまだ使えるものばかりです。それらは中古機械として売買されたり、解体・リサイクルされ別製品として生まれ変わります。
この解体作業には地域の障害者がたくさん関わっています。  県内には、十分な能力を備えた障害者がたくさんいますが、単に雇用目標値達成のための“あてがい職場”や低賃金労働に甘んじているケースが少なくありません。  
そんななか、この活動が認められ、現在、国、県、市町村、学術研究団体、教育機関、事業所、施設などと協働して7カ所でモデルケースを立ち上げています。

<たすけっこ活動>  
戦後、物のない時代、津軽の子ども達は「たすけ」(一部地域では「たすけ鬼」または「たすけっこ」)で暗くなるまで遊んだものでした。鬼につかまった子は手をつないで「助け」を待ちます。まだつかまっていない子が鬼のスキをねらって助けに来てくれるのです。子ども達は「たすけ」で遊びながら、鬼(=怖い敵)から全力で走って逃げる、工夫して仲間を助けることを学んだのでした。  
遠い「たすけ」の記憶から半世紀、2001年6月8日、大阪教育大学付属池田小学校で起きた、教育史上未曾有の児童殺傷事件はあまりにも悲惨でした。この事件をきっかけに翌7月、私たちはたすけっこ運動を立ち上げました。運動の根底にあるのは、あの全力で逃げながら、仲間を助けて遊んだ「たすけ」の心だったのです。
  「たすけっこ」は小さなオモチャみたいな笛ですが、身の危険を感じたときに周りに知らせるために吹くようにと、地域の子ども達に配りました。  少しでも事件の当事者がなくなることを願い始めたたすけっこ運動ですが、当時は無関心な人がまだ多く、こういう心寒い時代が悲惨な事件をつくり出したのかと思いました。
こうして、最初は一方的に配布する「児童を守る」ためだけの運動でした。  
たすけっこはひとつ一つ手作りです。人の手で組み立て、ひもを通し、命の大切さを手書きしたメッセージカードを入れて袋に詰めます。始めは社員が仕事の合間にボランティアで作業していました。  翌2002年、二人の女子中学生がこれを手伝ってくれました。それが縁で二人のクラスが取り組み、それが学年全体に、さらに学校全体の運動になり、近くの四つの中学校にも飛び火し、やがて市内の全中学校に広がり、代表者が一堂に会しての作業になりました。
そして、この中学生達の活動は高校生達の運動へとつながりました。自分たちもかつて手にした笛だから、今度は自分たちで作って「事件の被害者・加害者を生み出さないことを呼び掛け合う」という「命を大切にする心をかみしめる」運動に進化しています。
  この間、黒石市立黒石中学校生徒によるたすけっこ運動はボランティアスピリッツ東北大賞に輝きました。  また、遭遇した危難からたすけっこによって辛くも脱出できたり、水難に遭遇し一命を取り留めたこともありました。  2006年、たすけっこは池田小の子ども達にも届けられました。東京都目黒区の小学校や宮城県の小学校にも届けられました。さらに2008年8月には、この運動を知った山梨県南アルプス市の小学校にも届けられました。
  地域の子どもを守ろうと始まった運動は、いま「命を大切にする心を育てる運動」として日本中に広がっています。
  障害者の自立を図り、クルマの両輪として協働し、子ども達の命を守ることが、企業として私たちが果たさなければならない責任であると考えています。社会への貢献、責任は、お金だけでは果たせないものと思います。
  今、この津軽の小さな企業から、そんな取り組みを全国に発信します。  たすけっこは命の笛です。お守りです。アルプスの牧場に響く心の笛です。